聞き上手院長のたまには言わせてブログ

2012年11月 4日 日曜日

がんは低年齢化が進み、中でも大腸がん等のがんが増えています

(続き)・・がん患者の数が増えているという数字上だけの話ではありません。近年の特徴としては、10台から40代の若者や子供のがんの増加が特に目立ちます。従来に比べ、がんが明らかに若年化しているのです。がんの種類をみても、日本人特有の胃がんが減っている一方、乳がんや膵臓がん、大腸がん、前立腺がん、子宮体がんなどが増えています。すなわち欧米先進国と類似した疾病構造となっているのです。

がんはそのように増加傾向と若年化、好発部位の変化をみせていますが、その要因としては何があるのでしょうか。第一に挙げられる要因としては喫煙が肺がんの発症に与える影響が挙げられます。煙草の出す煙に多量に含まれる有害物質が肺の組織に繰り返し損傷を与え、肺がんの発症に至るというものです。アメリカを中心に禁煙運動が拡がって、一部の国では肺がんの死亡率に歯止めがかかりつつあります。

それと並んで重要な因子となっているのが食生活です。1990年頃まで我が国で最も患者数の多かった胃がんの主要な原因として、食品中の塩分が挙げられています。特に東北地方などで塩蔵品の魚や漬物、塩や醤油の多用などによって塩分の摂取量がたいへん多く、その影響もあり胃がんの罹患率が高かったのですが、官民を挙げての減塩運動の成果で胃がんは減少に転じ、死亡率トップを明け渡しました。

胃がんに代わって著増しているのが大腸がんで、欧米諸国では以前からポピュラーながんでしたが、食生活の変貌などによってわが国でも増加傾向にあります。通説では食肉や牛乳、卵など動物性食品を多量に摂取すると、コレステロールや動物性タンパクなどをもとに腸管内でインドール、スカトールなどの有害物質が産生され、大腸の粘膜細胞に刺激を加え続け、がんの発症に至るとされています。

特定の原因で発症するがんも知られています。有名なものの一つにピロリ菌があり、胃潰瘍や胃がんの原因となるため、胃粘膜に見つかった場合には抗生剤等による除菌がよく行われます。また白血病や悪性リンパ腫の中にはHTLV1というウイルスが原因で発症するものが知られており、一方で石綿に含まれるアスベストを工事現場などで吸い込んだ人が肺などの中皮腫にかかる事例が多発し、社会問題化しました。

そのような物理的原因だけでなく、心理的要因としてストレスもがんの原因となり得ることが分かってきました。世の中のボーダレス化や過当競争、IT化などの要因によりストレスが全般に増大していますが、それによって実際にがんが増えているという統計もあり、一方でストレスがガンの発症要因の一つであるという動物実験もあります。がんを予防するには、ストレスへの対策も欠かせません・・(続く)

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投稿者 蒲田よしのクリニック 院長

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