聞き上手院長のたまには言わせてブログ

2012年11月 6日 火曜日

抗がん剤は幅広く活用されていますが、深刻な副作用があります。

(続き)・・そのようにして早期の小型のがんは手術で摘出することが出来ますが、進行して大きくなったがん、再発あるいは転移したがんに関しては、どのような治療手段が残されているのでしょうか。病院を中心とする医療はそれに対しても挑戦を繰り返してきました。すなわち抗がん剤および放射線治療です。これらと手術とを合わせて、がんの標準療法あるいは三大療法と言われており、日本に於いては真っ先に勧められる治療法です。

抗がん剤には幅広い活用方法があります。がんが拡がり手術不能となった場合や、本来手術の適応がない白血病や悪性リンパ腫などに於いてはメインの治療手段の一つとなります。手術をする症例の場合でも、手術で摘出しやすくする目的で術前に抗がん剤を用いる方法や、逆に再発を予防する目的で術後に抗がん剤を用いる方法などがあり、一般に考えられているよりも広範囲に抗がん剤が使われています。

市場には実に多くの抗がん剤が発売されていますが、効果の発現機序によっていくつかのグループに分類できます。例えば代謝拮抗剤はがん細胞の栄養補給経路を絶って兵糧攻めにし、植物アルカロイドはがん細胞内の微小構造物を破壊して機能不全に陥らせ、アルキル化剤はがん細胞の遺伝子DNAを破壊して遺伝子のコピーを邪魔します。そのように抗がん剤は各々異なった手段でがん細胞を攻撃するのです。

がんの臨床現場では通常、異なるグループから一つ薬剤を選択し、数種類の薬剤のコンビネーションで投与します。一例を説明すると、悪性リンパ腫のうちの非ホジキン病に対する代表的な治療法の一つであるCHOP療法は、4つのグループから選択した薬剤の頭文字をあしらった名称です。薬剤は単独よりもコンビネーションで投与した方が効果は高いのですが、一方でそれだけ副作用が強いのも確かです。

抗がん剤による副作用はたいへん重く、しかも多彩です。がん細胞を攻撃する作用は人体の正常細胞にも働き、薬剤ごとに微妙に異なる副作用を表わします。よく知られた副作用としては食欲低下、吐き気、脱毛、貧血、白血球減少、血小板減少、肝障害、腎障害、心不全、肺線維症、神経障害など、すべて挙げていったらキリがないほどです。そのように様々な副作用を嫌って抗がん剤の治療を拒否する人も少なくありません。

そして重篤な副作用のため死亡する場合もあるのです。例えば悪性リンパ腫や白血病などの造血器悪性腫瘍では、10%以上が副作用を原因として命を落としています。そこまでいかなくとも、副作用がひどいために治療を中止してしまう人も多数います。また治療により病気そのものは良くなったものの、副作用が後遺症となって残り、日常生活に悪影響が出るケースも目立ちます・・(続く)

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投稿者 蒲田よしのクリニック 院長

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