聞き上手院長のたまには言わせてブログ

2012年12月21日 金曜日

パーキンソン病の手の震えが静止!グルタチオン点滴の驚くべき威力

(続き)・・今年の春先に開かれた点滴療法研究会のセミナー会場で流された一つのDVD映像を見たとき、私は自分の目を疑いました。パーキンソン病で手の震えがひどかった高齢の女性が1本の点滴を受けた直後、その手の震えがピタッと止まったのです。その点滴を定期的に受けた女性は、手の震えが軽減しただけでなく、車いすで移動していたのが杖歩行できるようになり、ついには自力歩行が可能となるに至りました。無表情だった顔つきが、別人のように表情豊かになったのにも驚きました。

パーキンソン病は脳幹にある黒質が変性して神経伝達物質の一つであるドーパミンが働かなくなり、手の震えや歩行障害、動作緩慢、認知症などの症状が次第に進行し、ついには寝たきりになってしまう進行性の神経変性疾患です。治療薬はありますが効果は限定的かつ一時的で、結局は病状の進行を食い止めることが出来ません。しかし1種類の点滴が震えを止めるばかりか、各種の症状を軒並み改善させてしまうとはどういうことか、この素晴らしい点滴はいったい何者なのか、私は非常に強い関心を抱きました。

この点滴の名称は「グルタチオン点滴」です。グルタチオン800~2,000mgを100mlの生理食塩水に混ぜて20分くらいで点滴し、これを週1~2回の頻度で繰り返します。グルタチオンは我々の体内にも豊富にある抗酸化物質で、3つのアミノ酸から構成されています。グルタチオンの抗酸化力は桁違いに強く、活性酸素や過酸化脂質などの害から我々の身体を守ってくれています。ところが環境の悪化やストレスなどのため活性酸素は増加しがちで、また加齢などによりグルタチオンの分布量は減少してしまいます。

最近の研究で、パーキンソン病を含む多くの病気は活性酸素が原因の一つと指摘されています。パーキンソン病の場合、黒質に於けるグルタチオン濃度が健常者よりも著しく減少していることが分かっています。つまりパーキンソン病の根本原因の一つは、グルタチオン減少に伴う活性酸素の増加により、黒質が変性してしまうことなのです。そうだとすると根本的な治療方針の一つとして、外部からグルタチオンを点滴によって補う「グルタチオン点滴」は、たいへん理にかなった治療法ということが出来ます。

ちなみにグルタチオンをサプリメントの形で補う方法は、点滴と比較してあまり有効とは言えません。ビタミンCの場合と同様に、腸からの「吸収率」の問題があるからです。グルタチオン配合のサプリメントが数多く出回っていますが、健康人がアンチエイジング等の目的で摂取するならば問題ないものの、パーキンソン病などの病気の方が治療に用いるには明らかに力不足といえます。米国などでは今やパーキンソン病の定番の治療の一つとして、「グルタチオン点滴」がラインナップされつつあります・・(続く)

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投稿者 蒲田よしのクリニック 院長

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