聞き上手院長のたまには言わせてブログ

2013年2月15日 金曜日

喫煙はニコチン依存症!ニコチンを活用した禁煙療法はホントに有効?

(続き)・・私が6年半前に禁煙を決意したのは、ある自己啓発系セミナーの「禁煙セッション」の場でした。私はかねてよりタバコをやめようと考えていたので、「禁煙希望者募集」の案内を見て迷わずに申し込みました。私を含む約10人の禁煙希望者は事前に「タバコを3箱買っておけ」と伝えられており、400人以上いるセミナー参加者の面前で用意したタバコを10本も口にくわえさせられました。火をつけられると猛烈な量の煙が「これでもか!」とばかりに肺に入ってきて、ひどいめまいがしました。

何十本もタバコを吸わされた後は「砂浜の散歩」です。それもタダの散歩ではありません。半分に切ったストロー3本を口にくわえ、大きな洗濯バサミを鼻に挟まれました。こうすると、呼吸をするのに大変な労力が必要になります。それだけでなく、スタッフに両脇を抱えられながら海岸沿いの砂浜散歩を始めると、呼吸も歩行もひどい難行苦行となります。これはタバコを原因とする肺の障害である「COPD」を端的に再現した、一種の行動療法といえます。目の前が真っ暗になり意識もかすれがちになりました。

ほんの10分間ほどの海岸散歩でしたが、私には大変な長時間に感じました。足腰も頭もすっかりヘロヘロです。ところがセミナー会場に戻ると、400人を超える参加者に大声援で迎えられました。「よくやった!」「禁煙おめでとう!」などと称える無数の声が飛んできます。このような歓喜のルツボに身を置いて、「これで本当にタバコをやめられる!」と確信できました。このように一見すると荒療治の感がある「禁煙セッション」でしたが、その力も借りる形で私はすんなりとタバコをやめることが出来ました。

「習慣」と並んで、禁煙を難しくしている要素の一つが「依存性」です。スモーカーがしばらくタバコを我慢していると無性に吸いたくなり、さらに吸わないでいると冷や汗や手のふるえ、動悸、イライラなどに見舞われます。これは一つにはタバコの主成分である「ニコチン」が体内から消えることにより生じます。ニコチンは脳内神経伝達物質の一つで、快楽や集中力などに関係しますが、実はヘロインやコカインに匹敵するほどの依存性をもっています。タバコは一面で「ニコチン依存症」ともいえるのです。

そのようなニコチンの「身体的依存性」に着目し、ニコチンを活用した禁煙療法が臨床応用されており、条件によっては保険適応となっています。ニコチンを含んだ貼り薬や、ニコチンが神経細胞に侵入するのをブロックするような薬剤を用いた治療法です。この治療法に取り組むクリニックが多数あり、実際に蒲田よしのクリニックでも行なっていますが、この治療法は取り組みやすいものの、成功率は医療機関平均で6割に届きません。成功の可否を真に決定づけるのは、身体的依存とは異なる要素なのです・・(続く)

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投稿者 蒲田よしのクリニック 院長

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