聞き上手院長のたまには言わせてブログ

2013年5月13日 月曜日

語源はカニのハサミ!有害重金属を一網打尽にするキレーションとは?

(続き)・・前回のコラムから半月以上も経ってしまいました。大型連休をはさんで日に日に暖かくなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

この半月間、私はこのホームページの「スマホ版」の作成に取りかかっていました。コンテンツは従来の「パソコン版」と共通していますが、ページ数を増やし内容をより充実させます。その増ページ分の文章を作成していたのです。
おかげ様でこの「がん専門」ホームページはたいへん好評で、実際にこれを見て「蒲田よしのクリニック」へ問い合わせをしてくる方は増えているのですが、あいにく「スマホ」に対応した作りにはなっていませんでした。

スマホ(スマートフォン)の勢いは今や止まることを知りません。販売数はパソコンを追い抜き、携帯電話市場に於けるシェアもうなぎ上りです。従来型の携帯、いわゆる「ガラケー」を保持する人は私も含め、すでに少数派となりつつあります。
そういう状況もあり、キーワードを入力してこの「ガン専門ホームページ」に辿り着く方に関しても、スマホ経由の方の割合が日に日に高くなってきています。スマホはパソコンと違い、外出先や電車の中などでも他人に邪魔されることなくインターネットにアクセスすることが可能なため、医療機関のホームページに於いても対策が不可欠です。

ところが今までのホームページはスマホ経由で訪問した場合、字が小さ過ぎて文章を読めないのです。そのためにスマホ経由で来られた方は直ぐにホームページから去ってしまい、せっかくの訪問が無駄になっていました。
そこで蒲田よしのクリニックとしては、スマホ経由でホームページに来られた方の利便性を向上させることを目指して、スマホ版のページを新たに作成することにしました。作業の進捗状況にもよりますが、5月中の開設を目指していますので、今しばらくお待ち下さい。


さて前回までのコラムで、水銀や鉛、カドミウム等の「有害重金属」を体外に排出するような生活上の工夫、それに食事などに関して説明しました。慢性疲労や神経障害など様々な体調不良をもたらす重金属は、自らの工夫によってある程度は排除することが可能なのです。
ところが実際には、一たん体内に取り込まれた有害重金属は、そうやすやすと体外に出て行ってはくれません。その量が半端ではないためです。仮に首尾よく排出できたとしても、環境要因などの影響でさらに体内に入ってきてしまうのが現実です。
従って多量に蓄積した重金属を効率よく排除しようと考えた場合には、食事などの日常的な工夫にも取り組みながら、医療的な手法で強力に重金属の排出を促したいものです。そのような方法の一つとして「キレーション療法」があります。

キレーションの語源は「カニのハサミ」で、ちょうど重金属のような有害物質をハサミで挟んで体の外に出す、というイメージで呼称されました。
キレーションは意外と古い歴史があります。1930年代には早くもドイツでEDTA(Ethylene Diamine Tetraacetic Acid)というキレート剤が合成され、当初は工業用に用いられました。
第二次世界大戦中には化学兵器のマスタードガスを解毒する目的で、BAL(2,3-Dimercaptopropanol)という解毒剤が用いられましたが、これは一種のキレート剤の役割を果たし、鉛中毒にも効果があることが分かりました。
ところがその後、BALには毒性があることが判明し、代わりに比較的安全なDMPS(2,3-Dimercapto-1-propanesulfonate)が用いられるようになりました。その一方で1940年代からはEDTAがガンや鉛中毒、心臓病などに用いられるようになっています。

今や米国などでは、重金属中毒のみならず、動脈硬化に起因する心臓や血管の病気、薬物や化学物質による中毒、さらにはアンチエイジングや美容目的などのために、市中のクリニックでキレーション療法が盛んに行われています。
日本に於いても遅れ馳せながら一部のクリニックでキレーション療法が行なわれるようになりましたが、西洋医学中心の病院や大学医学部の医師などの間では、まだまだ認知度が低いのが現状です。

キレーション療法を実施するにあたっては、体内に重金属がどれだけ蓄積しているかを評価する検査をあらかじめ行ないます。具体的には少量の毛髪を採取して、蓄積している重金属のスクリーニングを行なった後、対象となる重金属の誘発試験を実施して尿中の重金属排出量を評価します。
蓄積している重金属の種類とその程度が判明した後、キレーション療法に入りますが、重金属の種類によって使用するキレート剤が異なります。キレート剤によって吸着しやすい重金属が異なるためです。
重金属のうち水銀に関してはEDTAの効果はあまり高くなく、DMPSまたはチオプロニン(N-2-mercaptopropionyl glycine)が用いられます。
それに対して鉛はEDTAがたいへん有効で、それに次いでDMPSの仲間のDMSA(2,3-Dimercaptosuccinic acid)が用いられます。
一方でカドミウムはEDTAとDMPS、ヒ素はDMPSとDMSAが有効です。

このようなキレーション療法の効果を倍増させ、相乗効果をもたらすのが体を温める手法、とりわけラドン浴です・・(続く)

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投稿者 蒲田よしのクリニック 院長

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