聞き上手院長のたまには言わせてブログ

2013年5月28日 火曜日

全身で悪さをする免疫複合体!遅発型フードアレルギー最大の犯人は?

(続き)・・九州、中国、四国地方に続いて、近畿と東海地方が梅雨入りしました。ずいぶん早い梅雨入りですね。平年と比べて4日から11日も早い梅雨入りだそうです。関東地方はまだ梅雨入りしていませんが、本日の外の気配からは何となくジメッとした感じがあり、梅雨入りが間近なことを感じさせます。

本日「蒲田よしのクリニック」でラドン浴をされた女性が「低気圧が近付いているのがよく分かる」と話し、手の指をさすっていました。この方はリウマチではありませんが、手の指が浮腫み、こわばりがあり、一見してリウマチ的な症状です。気圧が下がって雨雲が近付くと、浮腫みとこわばりがひどくなるのだそうです。
天気図をみると確かに大陸には低気圧が近付き、明後日にかけて日本にやって来そうな気配です。予報でも明日から関東地方などで雨降りが始まると報じられており、東日本もいよいよ梅雨入りかも知れませんね。

気圧や温度、湿度などの気象条件と病気との間には密接な関係があり、古来より研究対象となってきました。リウマチだけでなく喘息やアトピー、うつ病、更年期障害、偏頭痛、神経痛、過敏性腸症候群など多くの病気は、気圧や気温、湿度などの変化により病状が悪化し、また改善します。
比較的多いパターンとしては、低気圧が近付いて雨の予報が出ている時に、喘息やリウマチなどの症状が俄かに悪化する、ということが挙げられます。人によっては天気予報も見ていないのに、「雨が降る予感がする」などと、体が天候の変化を先取りして感じ取ることさえあります。

雨が降り湿度が上がると、なぜ体調が崩れる人が多いのでしょうか。漢方医学では古来より「水毒」という考え方がありますが、これは体内に溜まった余分な水が体を冷やし、痛みや浮腫み、めまいなど様々な体調不良を招くというものです。水には体を冷やす性質があるため、過剰な水が文字通り「毒」として作用するのです。
「水毒」への対処法としては、体を温めること、余分な水分を排出することなどが挙げられます。具体的には、体を温め利尿効果のある食べ物を摂取し、ゆったりとお風呂に浸かり、適度に運動することなどが推奨されています。夏の近付いた今こそ、体を「温める」ことが体調を維持する上で必要なのです。


さて前回のコラムで、アレルギー反応には2種類あるとお話しました。すなわち「即時型」アレルギーと「遅発型」アレルギーです。実はこの両者では、アレルギーの鍵となる物質が異なるのです。
アレルギーを引き起こす上で大切な役割を果たす物質の一つに「免疫グロブリン(Ig)」があります。このIgが食物などのアレルゲン(アレルギーの原因物質)と結合し排除しようとして、様々なアレルギー反応が引き起こされるのです。

即時型アレルギーに関与するIgは「IgE」です。IgEはアレルゲンと結合し、白血球の一種である肥満細胞を刺激して「ヒスタミン」という生理活性物質を産生させます。このヒスタミンは強い生理活性を示し、蕁麻疹やくしゃみ、鼻水、流涙などの「アレルギー症状」を引き起こし、重度の場合には呼吸困難などの重篤な反応を招きます。
IgEからヒスタミンに至るアレルギー反応は、出現が早く沈静化も早いという特徴があります。アレルゲンが侵入した直後に反応が始まり、多くの場合、数時間以内に症状は消えてしまいます。そのためアレルギーであるかどうかは一目瞭然で、たいへん分かりやすいアレルギー反応ということができます。

これに対して遅発型アレルギーに関与するIgは「IgG」です。IgEとは異なり、IgGはアレルゲンと結合し「免疫複合体」を形成します。免疫複合体は直ぐには悪さをせず、血流に乗って全身各地に運ばれ、そこで少しずつ蓄えられます。
免疫複合体の量がある限度を超えると、徐々に悪さをし始めます。それが蓄積した臓器や組織の場所によって、特有の症状が現れるのです。蓄積する場所は脳や神経、肝臓、肺、胃腸、皮膚、関節、筋肉など全身に及ぶため、症状も全身のあらゆる臓器や組織に関わってきます。
例えば筋肉の症状としては筋肉痛、肩凝り、腰痛など、脳神経系ではうつ症状、頭痛、不眠、不安神経症など、皮膚では湿疹、蕁麻疹、アトピーなど、胃腸では腹痛、便秘、下痢、過敏性腸症候群などが引き起こされます。どこに免疫複合体が溜まるかによって、まさに十人十色の多様かつ慢性的な症状が発生し得るのです。

遅発型フードアレルギーは、原因となる食材を血液検査によって調べることが可能です。検査は米国「US BioTek社」などで行なっており、数mlという少量の血液を採取して発送し、2~3週間以内に結果のレポートが送られてきます。
検査は100種類近くの食材を対象に、IgGの「反応の強さ」を定量化します。これを見れば、遅発型アレルギーを引き起こしている食材は何か、どのくらい強いアレルギーなのか、さらに治療によりどれだけ改善したかが、明瞭に分かるのです。

遅発型フードアレルギーに取り組む医療機関は徐々に増えてきています。ある施設の統計によると、原因食材として最も多いものは「卵」です。これには卵黄および卵白が含まれますが、卵は我々が日常的にメニューに加えているだけでなく、様々な調理法に用いるほか、実に多くの加工食品に使われています。
例えば天ぷらの衣には卵が入っていますし、たこ焼きやお好み焼きの生地には卵が使われています。卵なしでは、それこそ味気ない料理になってしまいます。一方で、チクワやハンペン、つくね等の練り製品、ハンバーグや肉団子、ソーセージなどの加工肉にも「つなぎ」として殆んどの場合、卵が使われています。

次にアレルギーの原因として頻度の高い食材は「牛乳」です。牛乳に関しては「乳糖不耐症」という遺伝的な不適応が存在し、日本人の大半は充分に牛乳を消化できませんが、それだけでなく遅発型アレルギーの原因ともなります。生の牛乳と並んで、乳製品であるチーズやヨーグルトなどもアレルギーを引き起こします。

卵と牛乳はまさにアレルギーを招く「東西の横綱」といえますが、それ以外に、驚くほど多くの身近な食材がアレルギーの原因となるのです・・(続く)

このエントリをBuzzurlにブックマーク

投稿者 蒲田よしのクリニック 院長

詳しいアクセス・地図はこちらから