聞き上手院長のたまには言わせてブログ

2013年6月 4日 火曜日

遅発型フードアレルギーを招く「腸の穴」!リーキーガット症候群とは?

(続き)・・本日も東京は日中、かなりの暑さとなりました。蒲田よしのクリニックに来院される方々の間でも、「今日はとても暑いですね~」などという会話があちこちから聞こえてきます。暑いだけでなく乾燥しており、全般に「カラッとした暑さ」です。
5月末に早々と梅雨入りしましたが、梅雨入り後まもなくの時期を除き、晴れて気温の高い日が続いています。早くも「空(から)梅雨」ではないか、との予想も出ています。空梅雨というと雨の少ない、晴天の多い梅雨を意味します。一言でいうと「梅雨らしくない梅雨」とも表現できます。
梅雨はまだ始まったばかりで、本当に空梅雨になるとは限りませんが、もし空梅雨だとすると水不足、ひいては真夏の酷暑が心配にもなります。梅雨というのは雨が多くジメジメした嫌な季節ですが、一方では農作業などに必要な「水」を補給してくれる、地味ではあるが大切な季節でもあります。

空梅雨気味の場合はなおさらですが、この6月は一年で最も日照の強い季節です。真夏で気温の高い7月や8月よりも、日差しの強さはずっと強いのです。夏至を中心に最も日照時間が長いので当然と言えば当然ですが、雨雲さえかからなければ、6月に日差しがひときわ強くなることは意外な盲点です。
そう言えば欧米では「June bride」といい、結婚式のシーズンです。日本では6月は雨勝ちなため避けられる傾向にありますが、欧米には梅雨がなく最も昼が長いため、6月に結婚すると幸せになれる、などと信じられているのです。
日差しが強いということは、「紫外線」の量が多いということでもあります。紫外線、中でもUVBは「美容の敵」とされていますが、一方で日差しはビタミンDを活性化し、骨を丈夫にすることに必要です。紫外線の害を防ぎながら、肌の健康を守ることが求められますが、そのとっておきの方法については日を改めて解説したいと思います。


さて前回のコラムで、身近でありふれた食材が遅発型フードアレルギーを招く可能性があり、アレルギーを起こしやすい食材にはいくつかの傾向が読み取れる、と説明しました。それと同時に、我々の体の側にもアレルギーを発症させやすい要因があり、その一つとして「腸内環境」の悪化がある、とお話しました。
腸内環境というとよく話題になるのが「腸内細菌」です。人間の腸内には約100兆個もの細菌が住み着いており、これには「善玉菌」と「悪玉菌」、それにどちらにも属さない「日和見菌」という勢力分布となっています。

腸内細菌のうち大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉菌が勢力を増すと、アンモニアやインドール、スカトールなどの有毒物質が産生されるようになります。その結果、ポリープやガン、潰瘍性大腸炎などの病気が発生しやすくなると伴に、食物アレルギー発生の要因ともなるのです。
反対に乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が増えると、胃腸の調子が改善するだけでなく、腸管内の免疫力が向上し、感染症やガン、アレルギー疾患の発生率も低下します。白血球など免疫細胞の約7割は腸に分布していると言われ、腸内の善玉菌を活性化することが各種疾患の治療や予防に役立ちます。

しかし腸内環境の良し悪しに関係するのは、腸内細菌の勢力図だけではありません。近年、アレルギーを引き起こす腸内のトラブルとして「リーキーガット症候群」Leaky Gut Syndrome(LGS)が注目を集めています。直訳すると「漏れやすい(Leaky)腸(Gut)」すなわち腸管壁から栄養が漏れ出る健康異常、という意味合いです。
我々が食事から摂った栄養素は、小腸粘膜から吸収されて体内に取り入れられますが、その際、消化酵素によって細かい分子まで分解され、ある一定サイズ以下の大きさの分子しか吸収されません。未消化で大きいままの分子は体内に入ったとしても栄養素として利用できないばかりか、様々な悪さをするためです。

しかしながら、もし何らかの理由で未消化の大きな分子が腸管壁から吸収されてしまった場合には、体内の免疫システムが「異物」として認識し、排除しようとします。具体的にはリンパ球が「抗体」を産生し、食物由来の大きな分子と結合して「免疫複合体」を形成し、排除にかかります。
この免疫複合体は、容易に体内に排除されるとは限りません。実はかなりの割合が、体内の様々な部位に蓄積してしまいます。時間の経過とともにその量は増えていき、溜まっている場所に特有の症状を引き起こします。それがまさに前述した「遅発型フードアレルギー」なのです。

腸壁から大きな分子が吸収されてしまう原因は、腸管壁に空いた大きな「穴」です。穴といっても栄養素などの分子を何とか通す程度の小さな穴ですが、これが数倍から十倍、場合によっては数十倍まで大きく開いてしまうのです。
これだけ大きな穴が開いてしまうと、未消化の栄養素が止めどなく体内に入り込んで悪さをするだけでは済みません。腸管内に存在する有毒な物質、例えば化学物質や汚染物質、細菌、寄生虫などが体内に侵入してしまい、逆にビタミンやミネラルなど必要な栄養素の吸収が悪くなり、不足してしまいます。そのようにして複合的な健康障害が生じてしまうのです。
ある研究によると、現代人の約7割はこのリーキーガット症候群を発症しているとされ、その割合は年々上昇しているといいます。それが遅発型フードアレルギーの急増している最大の原因になっているというのです。

それではなぜ我々の腸に「穴」が開き、リーキーガット症候群およびそれに関連した遅発型フードアレルギーの蔓延を許しているのでしょうか。その最大の原因もまた「食事」と考えられるのです・・(続く)

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投稿者 蒲田よしのクリニック 院長

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