聞き上手院長のたまには言わせてブログ

2013年11月12日 火曜日

カニのように挟んでポイ!重金属を追い出すキレーションの威力とは?

(続き)・・最近、自転車の事故でケガをする方が急増しています。日ごろ自転車に乗っている皆さんは大丈夫でしょうか。蒲田よしのクリニックに通っている方の中にも自転車で転倒し、打撲をされた方がいらっしゃいました。幸い軽症で間もなく完治し、大事には至りませんでしたが、大事故になっていたら、と思うとゾッとしました。
最近の自転車事故で目立つのは、対歩行者の事故や自転車同士の事故です。歩道を走行するなどして、自転車が歩行者にぶつかる事故が特に増えています。次いで増加した自転車同士の接触事故が多くなっています。自動車とぶつかる事故も少なくないのですが、割合として大きいのは、何といっても歩行者との間で起こる事故です。

私も3年くらい前までは自転車に乗って移動していたので分かりますが、自転車は確かに便利な乗り物です。天候さえ悪くなければ、気軽に移動することができます。車と違い、停める場所にもさほど苦労しません。但し道路のどこを走って良いのか、迷う場面が多々あります。すなわち「車道」を走るのか、それとも「歩道」を走るのかの選択です。
基本的に自転車は「車両」の一つであり、本来は車道を走るべきと定められています。ところが特に都市部の車道は狭くて通行量がたいへん多く、自転車が安全に走れる環境とは限りません。そこでより安全な歩道を走ろうとするのですが、そこには当然ながら歩行者がたくさん歩いています。そのような状況で、歩行者との事故が後を絶たないのです。

欧米、特にオランダなどでは、道路の多くに自転車専用のレーンが設けられており、自動車とも歩行者ともかち合わずに自転車が通行できるような環境となっています。日本でも幅の広い幹線道路などでは自転車専用レーンが設けられる事例が増えてきましたが、それでも狭い日本の道路事情ではその動きは遅々たるものです。
自転車が歩道を走るのは、現状ではある程度やむを得ないと思いますが、事故が多発している現実を前にして、早急に対策を立てなければなりません。ここで最も大切なことは、月並みな表現ですが「ゆずり合い」の精神ではないでしょうか。歩行者と自転車が、歩道という限られたスペースをお互いのためにゆずり合う。それが事故を減らす王道ではないかと考えています。


さて今回は、新メニューの一つである「キレーション療法」に関して詳しく解説します。

○キレーションとは?

キレーションの語源はギリシア語の「カニのハサミ」で、ちょうど重金属のような有害物質をハサミで挟んで体外に排出する、というイメージで呼称されました。
キレーションは意外と古い歴史があり、1930年代にはドイツでEDTA(Ethylene Diamine Tetraacetic acid)というキレート剤が合成され、当初は工業用に用いられました。
第二次大戦中にはマスタードガスを解毒する目的でBAL(2,3-Dimercaptopropanol)という解毒剤が用いられましたが、これは一種のキレート剤の役割を果たし、鉛中毒にも効果があることが分かりました。
ところがその後BALには毒性があることがあることが分かり、比較的安全なDMPS(2,3-Dimercapto-1-propanesulfonate)がそれにとって代わりました。その一方で1940年代からはEDTAがガンや鉛中毒、心臓病などに用いられるようになりました。
今や米国などでは、重金属中毒の治療のみならず、動脈硬化およびそれに起因する心臓病や血管病変に対する治療目的、あるいはアンチエイジングや美容、病気の予防目的に、キレーション療法が盛んに行われています。
日本に於いてはキレーション療法の普及が遅れていましたが、ようやくここ数年、一部のクリニックでキレーション療法が行なわれるようになってきました。

○キレーション療法の実際

キレーション療法に用いられるキレート剤としては上記のEDTA、DMPSの他に、DMPSと構造の似たDMSA(2,3-Dimercaptosuccinic acid)などがあります。蓄積している重金属の種類や量、症状などに応じて使い分けます。また動脈硬化に対する改善効果を期待する場合にはEDTAを使用します。
キレーションは主に点滴で行ないますが、状況によっては内服で行ないます。点滴で行なう場合は1回90分前後、週1~2回のペースで10~20回行なうことが推奨されています。一定期間の治療の後、誘発試験を行ない重金属の排出量がどれだけ減ったかをみて、治療効果を判定します。

キレーション療法(点滴) 料金 1回12,600円

○キレーション療法の主な適応疾患

重金属の蓄積とそれによる体調不良(水銀・鉛・カドミウム・ヒ素など)
動脈硬化性疾患(狭心症・心筋梗塞・閉塞性動脈硬化症など)
加齢黄斑変性症 膠原病(強皮症など) 糖尿病およびその合併症
神経変性疾患(パーキンソン病など) 皮膚疾患(乾癬など)
アンチエイジング(シワ・シミなど皮膚の若返り)
・・など幅広い疾患、体調不良に有効性あり

次回からは、免疫細胞「BAK療法」についてお話します・・(続く)

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投稿者 蒲田よしのクリニック 院長

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